ウケる技術という本がある。
前からその存在は知っていたが、「この本はちょっとやばい」で書かれているのを見て無性にツッコミたくなった。別段読まなくてもツッコめるとは思うが、読まずにツッコむのは失礼だろうと思いちゃんと購入した。これで心おきなくツッコめるってもんだ。
分析は良い、よくぞパターン分けできている。
写真にツッコむのは往年の一人ごっつのようでそこそこおもしろい。
大雑把な文意は。
●「ウケる」能力とは、センス、才能ではない。「ウケる人」の会話は誰でもマネすることができる有限のパターンの組み合わせに分解できる。
●コミュニケーションとはアドリブである。ウケる技術とはアドリブの転がし方である。具体的には得意パターンを核とした、スキルに裏打ちされたアドリブを展開する技術である。
●コミュニケーションとはサービスである。
●ツッコミとは「相手の発言のおもしろさに気づいて拾う」こと
●「気遣い」と「踏み込み」この2つが高いバランスで機能していること。
●コミュニケーションとは「プロレス」である。やりっぱなし、やられっぱなしはルール違反。
●チューニング力が重要
センス、才能によるものではないと否定しておきながら、バランス感覚やチューニング力を要求することは矛盾してないかい?
コミュニケーションとは「プロレス」であるって。じゃあ前提条件として「プロレス心」が理解できなきゃだめじゃん。
「コミュニケーションとはサービス」詭弁だなぁ。あなたたちは他人を楽しませるためでなく、自分が面白いからやってるんじゃないのかい?
ほかの突っ込みとしては、この「韻」という技術を解説している部分。
「韻」述語をそろえて退避させる。例)子供が柱に印を付けて背を測っている写真を見て「伸びてる!学力は伸びてないけど、背は伸びてる!」
A:おまえ、ホント頭悪いな。
B:顔も悪いけどね。
…これ、韻踏んでるか?それともツッコんで欲しいが故のボケなのか?
全般に言えることとして、本文中でも断りを入れてはいるが例文がイタい。そんなにシャレのわかる上司や女の子ばっかりだったらこっちがおもしろくしてやる必要ねえだろ。
また、キャラが描き分けられていない。どの例文に出てくる人物も同じ人間に見える。
せっかくの分析なのに例題の不出来が足を引っ張ってる。
女キャラが何かっちゅうと「超ウケんだけど!」こんなコト言う女が目の前にいたら殴るね。人としてイタい。
尻すぼみ。後半の3分の1は前半ほどのテンションが感じられない。
まあ、ツッコミはツッコミとしていい本だとは思う。1500円もするからこんなに突っ込みたくなるのであって、1000円切っていれば満足だったであろうとは思う(笑)
読後に日々の自分の周囲の会話の分析、漫才や落語、お笑い芸人の会話を分析をしたくなる。それはそれで面白い。
最後に。足りないものがひとつある。
文中にも相手の反応を見て調整しろとは書いてあるし、作者も当然知っていることであろうが相手によってシャレの通じる範囲は違うのだ。
だからこの38の技術にも、ほぼ万人に通じるモノと人を選ぶモノとがある。その優先順位を考えないとこの本を読んで実践する際に大きな障害となるであろう。googleで検索結果や、Amazonの書評を見ると、この本を参考にしようという人も多いみたいだ。付け焼刃は危険である。この優先順位リストが付いていればもっと実践的な本となれたであろう。
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自分自身、読んで実践しているかというとだいぶ怪しい。
うちの後輩に読ませたら、だいぶ面白がってたけど
「これをどこで練習したらいいんですか?」と聞いてきたので
「とりあえず渋谷に行って、お姉ちゃんナンパしてこい」
と答えておきました。
確かに、優先順位リストは欲しい。特にこれが自己啓発系の実用書なら(笑)